企画設計

その土地にはどのような建物が建てられるか、周辺環境、建築コストなど、
建物をつくるための基本的な概要を企画します。
各種法令に準拠し、必要条件を精査。簡易な図面やヴィジュアルを提示し、
見学会も開催しながら、イメージを共有します。

具体的な実績で、弊社の企画設計スタイルをご紹介します。

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工場内のすべての機能を一直線に形成することで、ロスのない動線を実現工場内のすべての機能を一直線に形成することで、ロスのない動線を実現

延べ面積1万平方メートルを超える広大な工場はさまざまな工程が関連性を保ちながら機能しています。 これらの空間を効率的につなぎます。
資材の搬入から、倉庫、秤量、製造、充填、包装、物流のそれぞれの工程が立体的に、しかも一直線を形成するように、ロスのない導線を計画しました。
生産効率の向上はもちろん、生産ラインを一方通行にすることで、人や物がぶつかり合うことの少ない、安全性の高い工場が実現しました。

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見る人にも、つくる人にも、快適を提供する見学デッキ

同じ工場の見学デッキです。
最近の工場見学は明るくオープンな雰囲気が求められています。
その上で〈何をどのようにつくっているのか〉をわかりやすく訴求することも大切。だって、工場見学ですから。
写真は、右側の製造ラインを見ながら見学者が進みます。設計のポイントは見学デッキの床を工場の床から3メートル上げることで、製造工程を遠くまで見渡せるようにしたこと。
また、屋外の見学デッキのガラス面には低反射フィルムを貼り、製造工程をはっきり見えるように。さらに、製造工程の内容を説明するサインやイラストレーションをカッティングシートで明示。製品へのわかりやすさと販売促進効果も狙いました。
工場見学はご家族で来場されることも多く、お子様にもわかりやすくなったのではと思っています。見学者へのアプローチに着目されがちですが、生産現場で働いている人のことも考慮しました。見学デッキの窓は工場内部にも自然光を届けます。働く人が快適を感じながら生まれた商品は、それだけで生命力にあふれているような気がする。
私の小さな〈ものづくりへの思い〉です。

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椅子とテーブルの位置関係を検討中

エステティックサロンのメイク室のテーブルと椅子の位置関係の検討を、私のアトリエのテーブルと椅子を使ってシミュレーションしています。
椅子に座られたお客様の後方(写真では左側)を、他のお客様がスムーズに通過できるように、椅子の位置を模索。この写真は、混雑時にもストレスなく通過できる、ぎりぎりの幅として設定したものです。サロンの営業中は、椅子をテーブルに寄せています。ぎりぎりの幅の設定は、ひとつ間違えると窮屈になり、クレームにつながるので、慎重に行いますが、店舗を運営されている施主さまにとって席数の確保はとても重要。売上に直接響くからです。こちらの施主さまは運営マニュアルがとてもしっかりされていて、滞りのないオペレーションが行われています。私の設計が生かされていることが、とてもうれしいです。

ホワイエから広がる光の空間から、コミュニケーションが生まれるホワイエから広がる光の空間から、コミュニケーションが生まれる

企業の研修センターのホワイエです。
都市中心部のビルの最上階にあり、テナントが入居するエリアの中央に大型のトップライトがあります。ビルの中にありながら、やわらかな自然光が降り注ぐホワイエ。
これを見たとき、「ここを中心にしよう」とひらめきました。大中小の会議室と実習室を結ぶホワイエには自社商品の展示スペースを配しました。 展示内容は新商品や季節商品の発売により、不定期に更新されます。社員のみなさんはホワイエを通るたび、自社商品を見ることになり、会話も生まれる。会議室を利用する社外のお客様へのアピールにもなります。

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建築資材との出会いが設計力を飛躍させ、住み心地を向上させる

つくりたい空間があっても、それを実現するためには、良い資材が必要です。
こちらの床に注目して下さい。この床材は日本のメーカーが高齢者施設の浴室用に開発した床材です。
2000年頃から、建築雑誌には、サニタリースペースで使用されるシャワーやバスタブ、大判タイルなどが紹介され、高性能で快適、デザインもスタイリッシュなものが多く発売されていました。
ところが、床材は滑りそうな素材や清掃性の悪いものが多く、なかなか「これ!」というものに出会えませんでした。このシートタイプの床材は清掃性も良く、床暖房も埋設できるものです。
これを見つけたときは、思わず心の中でガッツポース。目立たないようで、大切な場所の資材にも妥協しない設計者でありたいと思います。

吸音材料を使用せず、静かな住宅を実現

3階建ての店舗兼2世帯住宅です。
コンセプトは、国道沿いの騒音を感じない家。建物の間口は1階の薬局と中庭上部の屋根のみ。構造体は鉄筋コンクリート。
外周壁の遮音性能を上げ、外部道路レベルの音源から中庭上部の開口へと、騒音が回折する距離を取ることで、夜間騒音レベルを〈日常生活で静かだと感じる〉45dBに抑えました。特別な吸音材料を使わずに、この静けさを実現できました。
既にこの地域に住まわれていた施主さまからは、喜んでいただけましたが、「窓を開けると、夜は少しうるさいね」との厳しいお言葉。
「では、もう少し静かな山の麓に、もう一軒建てましょう」と私が提案。一同大笑い。
こんな会話を楽しめるのも、お客様との信頼関係のあかし。
うれしいことです。

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心地良さを追求し、暮らしを整えるための収納家具

ダイニングキッチンに設置した収納家具の設計です。
ティーセット、小皿、カトラリーなど、ダイニングテーブルまわりのものを収納できるように設計しています。
収納家具のサイズや配置は生活空間において重要性が高く、住み心地に影響します。設計のポイントは、側面に、防犯モニターやインターフォン、スイッチなどを集めたこと。リビングダイニングからは見えず、キッチンからは両方見えるため、非常にコントローラブルです。
造作家具工事と電気工事、防犯工事など、さまざまな工事のスケジュール調整が必要ですので、美しく収めるためには設計力が求められます。
どのような手順で工事が進められるかを常にイメージすることで、スムーズな施工につながります。

シンプルで機能的。そこに自由度がある。

新しい生活様式になり、洗面台を使うことが増えたような気がします。こちらの洗面台は左側面から鏡上部照明スイッチ、ミラーの曇り止めのヒータースイッチ、タオルバー、ドライヤー入れ、フェイスタオル収納スペースを設けたもの。施主さまは、できるだけ大きな洗面台を希望されていたため、アンダーシンクは理科の実験室で使われるものを採用。奥行きが大きくならないように設計し、清掃性を高めるために人造大理石で製作しました。機能性重視のシンプルな洗面台ですが、使っているうちに、この洗面台はきっと施主さまが工夫し、使い勝手の良いスペースに変わるはず。自由度の高い空間を提供できるのも、実は設計の成せる技だとひそかに思っています。

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